ふたむら内科クリニック

あなたの血管を点検してみませんか!🍒

さくらんぼ通信

生活習慣病と関連する動脈硬化の評価

特定健診や、職場の健康診断では、高血圧症・脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)・糖尿病・慢性腎臓病・高尿酸血症・メタボリックシンドロームといった、生活習慣病の有無が調べられています。秋も深まる今頃は、健診結果を知って心配そうに来院される方が多くなります。
このような生活習慣病は、無症状であることがほとんどですが、動脈硬化症という血管の病変を引きおこし、心筋梗塞・狭心症、脳梗塞といった重大な疾患の原因となります。何の症状もないのに、ある日突然襲ってくるこれらの病気は、その後の人生に重大な影響を及ぼします。したがって生活習慣病の治療・管理は、健康な人生を送ってゆくのに極めて重要です。また、たとえ症状が乏しくても、現在の動脈硬化の有無や程度を知っておくのは大変有意義なことと考えられます。

当院では、2つの方法で、動脈硬化の評価をすることができます。これから紹介する頚動脈超音波検査や血圧脈波検査(CAVI、ABI)は、CTやMRIといった高価な検査方法に比較して、放射線被ばくもなく、大きなご負担なく検査をうけていただけます。

1) 頚動脈超音波検査

体表から負担なく、動脈硬化の程度を推定するのに、頚部に超音波診断装置の探触子(プローブ)をあてて、頚動脈を観察するのが大変有用であるとされています。

血管は内側から内膜・中膜・外膜の3層に分かれますが、超音波検査では内膜・中膜は区別できず、内側の低エコー層(内膜中膜複合体:IM:黒い層)として描出されます。その外側に高エコー層(白い)の外膜があります。
内膜中膜層(IM層)は、ここにコレステロールが溜まると厚みを増したり、プラークというこぶ状の塊のように見えてきます。これが動脈硬化(粥状動脈硬化)という血管病変です。心臓や脳の血管のプラークが障害されて破裂するとそこに血液が固まって血栓をつくり、心筋梗塞脳梗塞を発症します。
頚動脈の内膜中膜複合体厚(IMT)を計測して、1.1㎜以上となるとプラークありと判断します。IMTの最大値(maxIMT)は、脳卒中虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)発症リスクと相関することが知られています。頚動脈超音波検査は、全身の動脈硬化症を見るための「窓口」といえるかもしれません。

尚、検査時間は10分程度です。仰向けに休んでいただいて左右の頚部をエコーでみるだけですので、身体への負担はありません。

2) 血圧脈波検査(CAVI、ABI)

両側の上肢・下肢の血圧、心電図、心音、脈波を同時に計測して、全身の動脈の硬さを計測する検査です。この原理ではPWV(脈波伝播速度)が計測され、これ自体も動脈の硬さを反映しているのですが、検査時の血圧の影響を受けてしまいます。そこで、スティフネスパラメータβという指標(この計算式は難しくて説明ができませんが、わからなくても大丈夫だと思います)により、CAVI(心臓足首血管指数)という、血圧の影響を受けない動脈の硬さを反映する指標を導くことができます。
動脈の硬さは年齢と相関します。PWVでは、検査時の血圧が高いとこの血管年齢を過大評価する傾向があるのですが、CAVIの計測から、血圧値に影響されない血管年齢を推測することが可能となります。
また、CAVI測定時には上肢・下肢の血圧がわかりますので、ABI((足首の最高血圧)÷(上腕の最高血圧))を計算することができます。ABIが0.9以下の時は下肢動脈の狭窄・閉塞といった、重大な疾患の可能性がでてきます。

検査は、仰臥位で、上肢・下肢の血圧計、四肢の心電図電極、胸に心音マイクをつけて、10分ほど休んでいるうちに終わってしまいますので、ご負担はありません。

以上のように、頚動脈超音波検査(IMT、maxIMTの計測)と血圧脈波検査(CAVI、ABIの計測)は動脈硬化症という動脈の状況を、それぞれ全く異なる視点から知ることが可能となります。もちろん、血圧や採血検査の結果とあわせて、必要な治療を総合的に判断してゆきます。

健診結果で生活習慣病が心配な皆さん、あなたの血管を点検してみませんか!
そして、適切な治療を受けられて、健康で豊かな人生につなげていきませんか!

さくらんぼ通信 第 8 号

診療時間

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