等温核酸増幅(NEAR法)検査によるインフルエンザの診断ができます!🍒
等温核酸増幅(NEAR法)検査によるインフルエンザの診断ができます!
新型コロナウイルス感染症の診断に用いている、ID NOW(アボット社製)により、等温核酸増幅検査(NEAR法)によるインフルエンザの診断ができます。当院では、診断キットを常備して、冬のインフルエンザ流行に備えています。
従来より、インフルエンザの迅速診断には、抗原検査キットが広く用いられていましたが、その診断精度には制約があり、特に発症12時間以内の精度に問題があることが知られていました。
この症状発現から12時間以内であっても、NEAR法によるインフルエンザの核酸増幅検査であれば、高い精度での診断が可能となります。アボット社の資料によれば、発症12時間以内のインフルエンザの検出感度は、A型インフルエンザで抗原検査88.5%、NEAR96.2%、B型インフルエンザで抗原検査64.3%、NEAR100%と紹介されています。
検査の実施要件
検査時間は、新型コロナと同様13分以内と迅速診断が可能です。
ただし、保険診療での検査実施には以下の要件を満たす必要があります。
☆ 発症12時間以内であり、かつ以下のいずれかに該当する場合
- 5歳未満の幼児
- 65歳以上の高齢者
- 年齢を問わず以下の重症化リスクのある患者
- 慢性の、肺疾患(気管支喘息を含む)・心血管疾患・腎疾患・肝疾患・血液疾患・代謝性疾患(糖尿病を含む)・神経疾患
- 免疫抑制状態の患者(免疫抑制剤、あるいはHIV感染を含む)
- 妊婦及び出産後2週間以内の産褥婦
- アスピリンまたはサリチル酸を含む薬物治療を受け、ライ症候群のリスクのある18歳以下
- BMI40以上の肥満者
- ナーシングホーム等の長期療養施設利用者
インフルエンザ流行時期に備え、当院ではNEAR法による核酸診断と従来のインフルエンザ抗原検査を適切に用いながら、正確な診断に努めていきたいと考えています。
さくらんぼ通信 第 11 号