ふたむら内科クリニック

奈良宣言とは ALT(GPT)が30超えたら肝臓の精査を!
CLD(chronic liver disease):慢性肝臓病とは?🍒

さくらんぼ通信

奈良宣言とは ALT(GPT)が30超えたら肝臓の精査を!
CLD(chronic liver disease):慢性肝臓病とは?

健康診断や人間ドックで、採血検査を受けますと肝機能検査として、AST(GOT)やALT(GPT)という項目が必ず入っています。
いずれも肝細胞内に豊富に存在する酵素蛋白で、何らかの原因で肝細胞障害が起きると、血液での数値が上昇します。その基準値は、ASTが10~40U/L、ALTが5~45U/Lぐらいとなっていることが多いようです。

それでは、AST38、ALT42と検査結果が返ってきたら、基準値以内だから肝臓は問題ない、といっていいのでしょうか?実は、それは間違っているのです!

肝臓学会は2023年6月15日に奈良市で開会した第59回総会で、肝臓病克服に向けた「奈良宣言2023(以下『奈良宣言』)」を発表しました。

奈良宣言は、肝機能検査として血液検査で広く測定されているALT(GPT)の値(U/L)が30を超えたら(ALT over 30)かかりつけ医を受診して原因を調べ、必要があれば消化器内科で精密検査を受けることを国民に呼び掛けるものです。

ASTは、肝臓以外にも心筋、骨格筋、赤血球などにも存在しますので、肝臓病以外にも心臓や筋肉の病気、赤血球が壊れる溶血などでも高値を示します。従って、CLDの指標として「ALT over 30」が選択されたと思われます。

ALTが30を超えたら(例えば先ほどのAST38、ALT42、たとえ数値は基準値以内であっても)、何らかの肝臓病がある可能性が高いと考え、精査を受けられることを是非ともお勧めします。
日本肝臓学会作成のポスターを示します。
奈良宣言🍒

慢性肝臓病(CLD)は、具体的にはウイルス性肝炎(B型慢性肝炎、C型慢性肝炎)、脂肪肝、アルコール性肝障害、薬剤性肝障害、自己免疫性肝疾患など多岐にわたります。

当院では、採血検査で肝機能はもとより、肝炎ウイルス検査、自己免疫性肝疾患の疾患マーカー(抗核抗体や抗ミトコンドリアM2抗体)などを調べて原因精査をしています。
また、疾患の進行と関連する肝線維化マーカー(FIB4-Index、M2BPGi、ELFスコア)や、脂肪肝の炎症マーカー(CK18-F)などを詳細に調べて、疾患の進行程度の評価も行っています。
また、当院の超音波診断装置では、脂肪肝のグレードを超音波減衰で評価(UGAP)したり、肝硬度測定(SWE)による肝線維化のグレード評価ができるようになっています。

人間ドックや健診でALT30を超えた方は、一度当院を受診してみてください!

さくらんぼ通信 第 18 号

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