新型コロナウイルス感染症の核酸増幅検査(NEAR法)を院内で実施しています!PCR法と同等の精度・13分で結果がでます!!🍒
新型コロナウイルス感染症の核酸増幅検査(NEAR法)を院内で実施しています! PCR法と同等の精度・13分で結果がでます!!
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが2020年に始まって以来、いままで馴染みの薄かった“PCR(Polymerase Chain Reaction)”という用語が一般的になりました。PCRの詳しい内容にはここでは触れませんが、簡潔にいえば、血液・体液から病原体である細菌やウイルスの核酸を増幅させて検出して、感染症の診断に役立てることができる検査です。
PCRはその原理から考えても精度や信頼性が高い検査ですが、私たちのクリニックのような施設での実施は難しく、COVID-19パンデミックの当初から、検査センター等への外注依頼が通常でした。外注では検査結果が出るのは早くても翌日で、流行のピーク時には2~3日かかることもありました。
当院の検査
私たちにとっても患者さんにとっても不都合なこの状態を解決するために、当院では早い時期から、アボット社製のID NOWという装置を導入いたしました。これは、PCRと同様の核酸増幅検査を簡便なキットで実施できる画期的な装置です。正しくは等温核酸増幅検査といいますが、そのひとつであるNEAR(Nicking Enzyme Amplification Reaction)法による検査です。
患者さんの鼻咽頭ぬぐい液を用いて検査をおこない、結果は13分以内に判明します。従ってその場で検査結果が判明し、陽性であれば、抗ウイルス薬を処方するなど直ちに治療に結び付けることができます。
NEAR法は、PCR検査と比較しても、陽性一致率93.3%(ウイルス量が多い場合は97.0%)、陰性一致率98.4%と高い検査精度であり、ほぼ遜色ない信頼性をもっています(アボット社資料による)。
新型コロナウイルスの診断には、他には抗原検査があります。キットにより違いますが、15分以内に結果が判明するものが多いようです。迅速性はNEAR法と同等ですが、診断精度は劣り、PCR法と比較した陽性一致率は87.5%との報告があります(新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )病原体検査の指針 第 6 版:厚生労働省)
現在のCOVID-19
COVID-19は、以前と比べて報道されることも少なくなり、患者さんからは「先生、まだコロナなんているの?」などと聞かれることもありますが、COVID-19は夏と冬に流行のピークを作ることを繰り返しながら、毎週必ず診断されています。新型コロナワクチンの🍒さくらんぼ通信にも紹介させていただいた通り、高齢者の重症化と後遺症の問題は解決されておらず、COVID-19は決してまだまだ「ただの風邪」ではないと思います。
発熱の有無にかかわらず、喉の痛み、鼻汁、咳などの症状のある場合、NEAR法で陽性となることは決して少なくありません。当院ではNEAR法によるCOVID-19の迅速で正確な診断を常に心がけて診療しています。可能な限り抗ウイルス薬による治療を行い、重症化や後遺症のリスクを減らせるように努めています。症状のある方は、お電話で連絡の上、受診いただければ幸いです。
さくらんぼ通信 第 10 号